2016年7月14日
個人のお客様よりお米と野菜の保冷庫について、「冷えないので点検して、直せるなら直して欲しい」と御連絡を頂戴し、先ずは点検に伺いました。
長年の間、大切にお使い頂いた保冷庫です。
向かって右側に漬物の樽がありますが、ここに冷気が溜まり、仕切り版の上部にスリットがあり、このスリットから冷気が漏れ出し、お米を保冷する温度である12℃~15℃になるような仕掛けです。
まずは右側の庫内上部に仕掛けてあるエバポレーター(熱交換器)を点検します。
上部にアルミフィンがあり、ここの中を銅管が通ります。
この銅管には膨張弁を通ったフロン冷媒(R22)が、霧状になりこの銅管内で蒸発することでエバポレーター周辺の熱を奪いながら完全な蒸気になります。
この時、温度が冷えるため庫内に湿度(水分)があると水滴となり、銅管に付着します。さらに冷やされると水滴は氷に変化すると共に、着霜することになります。
冷えすぎるとサーモスイッチが働き圧縮機が停止し、着霜は水滴となり、ドレンパンを通り排水されます。
この時、庫内ではファンが回り続け、庫内の野菜から腐敗に伴いわずかな酸性ガス(特にエチレンガス)が発生し、庫内を密閉され回り続け、エバポレーターの水滴にさらされると酸性ガスが溶け込み濃度がわずかずつ濃縮し酸度が上昇します。
これにより、アルミフィンや銅管の腐食が加速され、穴が明くということになります。
この保冷庫は23年使われた結果、前述の原因によりエバポレーター側面の銅管は緑色の錆が発生しております。
ものの見事に緑色となった銅管があり、ここまで腐食が進むと目では確認できないほどのピンホールが明く可能性が非常に高くなっています。
さらに保冷庫天面に設置されている冷凍機ユニットの膨張弁付近から油染みが確認され、ここからフロン冷媒とあわせて圧縮機油が漏れていることが確認できました。
愛着をもって23年間お使いいただきましたが、エバポレーターの腐食と膨張弁周辺からの冷媒漏れを総合的に判断すると、修理をしてもすぐに別の個所から穴が明き更に修理が必要になる状況であることをご説明させて頂き、新たに購入をお勧めしました。
すぐに保冷庫が欲しいという事もあり、販売店を紹介させて頂きお客様にご満足を頂く事ができました。
株式会社新冷熱技研では、この様な冷凍機の点検・修理も行っています。
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