品質評価テストで「ものづくり」の安心・安全を支えています
環境試験装置
「環境試験装置」とは、様々な製品の品質評価テストで使われている機械設備の総称です。
装置の内部で温度と湿度の変化や氷結の様子を人工的に再現し、製品の耐久性・安全性に関するデータを測定・収集します。自動車、航空宇宙、鉄道、電子部品などの業界で主に利用されています。安全で消費者が安心して使える「ものづくり」の基本として、環境試験装置は製造業を支えています。
環境試験装置には、評価テストの内容や用途に応じて様々な種類があります。弊社が扱っているのは主に、装置の内部にフロン類などを充填した冷凍機やチラーが組み込まれているタイプの環境試験装置です。温度と湿度の制御に用いられます。
環境試験装置の主な種類と特徴
名称、種類 |
特徴と主な用途 |
弊社での取扱 |
環境試験装置 |
地球や宇宙のさまざまな気象環境条件(温度、湿度など)を装置内で人工的に再現します。試験体を入れてテストすることで、試験体がその環境で十分作動するか、問題点がどこかを洗い出します。自動車、航空機、半導体、電子部品などの多分野で利用されます。 「環境試験機」「環境試験器」等と呼ぶ場合もあります。 |
◎ |
恒温槽 |
「恒温器」とも言います。槽内の温度を長時間一定に保つ装置です。温度変化の試験も可能で、様々な分野で使われています。温度は-40℃~180℃、低温タイプなら-70℃~150℃程度の範囲で設定できます。 |
◎ |
恒温恒湿槽 |
「恒温恒湿器」とも言います。温湿度を一定に保つ定常試験や、変化を観察する温湿度サイクル試験を行う装置です。 |
◎ |
恒温(恒湿)室 |
温度20~25℃、湿度40~70%RHなどの常温常湿で精密な温湿度管理を行う試験室です。工場、大学、研究施設などに設置され、精密加工や精密測定、材料保管、クリーンルームなどに使われます。 |
◎ |
恒圧(恒温、恒湿)槽 |
圧力・温度・湿度の複合環境を再現する装置です。自動車の高地走行や、航空機内での電子機器の使用、リチウムイオン電池の航空輸送などを想定した試験を行います。 |
◎ |
冷熱衝撃試験機 |
「熱衝撃試験装置」「ヒートショックチャンバー」等とも言います。急激な温度変化にさらされる可能性の高い製品の評価に使われます。特に、電子機器の基板、金属製品のはんだ付けや溶接部、樹脂製品の熱歪みなどが試験対象となります。 |
◎ |
振動試験機 |
任意の力や加速度を設定して振動を発生させ、輸送中などの振動を想定した試験を行います。電子機器、精密部品、通信機器、PC関連、自動車部品などに使われます。 |
△ |
超加速寿命試験装置 |
槽内を高温・高湿・高圧環境にして、より高いストレスを試験体に与えます。電子部品などの製品寿命や耐久性を試験します。 |
△ |
性能評価試験装置 |
製品の強度や耐久性などの性能を測定します。タイヤやオイル、ブレーキなど自動車部品から、建築関係、ジェットエンジンなどまで、幅広い分野で用いられています。 |
△ |
耐腐食試験機 |
ガスや大気汚染、塩水などが製品に与える影響を試験し、金属の腐食によるトラブルを防ぎます。「ガス腐食試験機」「塩水噴霧器」などがあります。 |
△ |
耐候(光)試験機 |
紫外線を当てながら温度・湿度をコントロールすることで、太陽光、熱、雨風などの屋外環境を人工的に再現し、製品が劣化する状況を試験します。 |
△ |
複合試験機 |
塩水噴霧、湿潤、乾燥、振動などの複合的な刺激を試験体に与え、実際の使用環境に近い状況を再現します。電子機器などに使われます。 |
○ |
その他の試験機 |
応相談 |
○ |
周辺機器 |
応相談 |
○ |
修理、校正 |
弊社では、冷凍機で温度・湿度を制御するタイプの環境試験装置の修理が可能です。 |
◎ |
受託試験 |
弊社が所有する恒温恒湿槽などを用いた受託試験や、環境試験装置のレンタルが可能です。 |
○ |
(参考:一般社団法人日本試験機工業会の統計)
主な取扱実績
- 昭和58年製の環境試験装置(2元冷凍機 R502、R13冷媒)の修理
- 低温恒温器の改造修理(R22からR404Aへ冷媒変更改造)
- 液槽試験設備の改造修理
- 熱衝撃試験装置の修理 7.5kw圧縮機を交換
- 塩水噴霧器の修理
- 恒温恒湿槽(-70℃仕様 低温恒温器)の中古買取、修理
- 環境試験装置の概要設計
- 低温恒温試験槽の製作
- 弊社が所有する環境試験装置の貸出、試験の実施(遠隔モニタリング可能)