ロシアによるウクライナ侵攻や、地震の影響による電力需給の逼迫で、最近は緊張が高まっています。

お客様のお困りごとの解決と、持続可能な社会への貢献に向けて、弊社は海外製装置や古い装置の修理改造を手掛けております。不安な時代ですが、自分たちにできることをしっかりと行い、他者との協創の姿勢で未来に向かっていきたいと思います。

さて、今回の記事では昨年修理した中国製の産業用冷熱機器をご紹介します。

2021年11月末に東京都中野区で、凍結乾燥機の修理に向けた現地調査をおこない、12月20日~22日にかけて修理作業を実施しました。

凍結乾燥とは、いわゆる「フリーズドライ」です。食品や製品、試験用サンプルなどから水分を除去して保存する方法の一種で、医薬品や再生医療に用いられる生体材料、さらには文化財保存など幅広い分野で用いられています。

今回のユーザーは医療系の研究所でした。

中華製(北京)Freeze Dryer LGJ-100F(凍結真空乾燥器)に搭載されている2元冷凍回路のうち、高温側圧縮機(Tecumseh製 密閉型圧縮機 TFH2511Z LBP - R404A)を取替えて、修理しました。

凍結真空乾燥器

この凍結新乾燥器の高温側圧縮機には、圧縮機を直接冷却し圧縮熱を抑制するためのインジェクション回路が無いことが、不具合の原因となっていました。熱により圧縮機油が炭化したことで、圧縮機のみならず膨張弁(ダンフォス製 TS2)にも影響が及び、当初の見積箇所以外にもオリフィス(膨張弁の穴)が詰まるという故障が発生していました。そのため、修理をしても試運転の際に冷え切らないという事態に陥りました。

すぐに修理を実施したいという御希望を頂き、お客様と協議の上、弊社取引先の商社様へご連絡。膨張弁を調達するため、文京区にある商社様の倉庫へ伺いました。

この膨張弁は海外製のため現在は入手が難しい状況になっています。力のある担当者様のおかげでなんとか入手でき、凍結新乾燥器を無事に修理することができました。(鷺さん、有難うございます。)

修理完了後、装置から取り外した部品を浜松へ持帰り、圧縮機油の排出回収などの作業をおこないました。

油の排出作業
真っ黒に汚れた油を回収しました

また、フィルタードライヤーをパイプカッターで切断して内部の炭化物を確認し、写真帳を作成してお客様に状況報告をさせて頂きました。

凍結新乾燥器などのような産業用冷熱機器、物を冷やすための装置の内部には、冷凍機が組み込まれています。弊社で扱っているタイプの冷凍機は、主に、圧縮機・凝縮器・膨張弁・蒸発器 という4種の機器で構成されます。

圧縮機では、冷媒を圧縮する際に熱(圧縮熱)が発生します。 そのため、通常はインジェクション回路をつけて、圧縮機を冷却する必要があるのです。

昨年はこの案件の他にも、中華製冷凍機の修理のお仕事が続きました。

今までにアメリカ製やドイツ製、韓国製、中国製、フィンランド製などを修理した実績がありますが、製品の造りにはそれぞれの国の国民性が現れます。

今回の修理対象装置では、圧縮熱の抑制をおこなわないまま製品化されており、さすがに中華製と思った次第です。

お客様への報告書では、今後の対応方針として、カスタマイズ(インジェクション回路の追加)、フィルタードライヤーの交換、凝縮器内の炭化物積層の洗浄作業などを御提案させて頂きました。

新冷熱技研は、海外製装置の修理・改造・メンテナンスを手掛けております。

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