新冷熱技研は、持続可能な社会の実現に向けて、「古い物を直して使う」というスタンスでお客様のお困りごとを解決しています。余裕のある大企業なら、自由に設備投資をおこなって、高性能かつ省エネで環境負荷の低い最新鋭の機器を導入することも可能です。しかし、実際の現場や中小企業の大半は、設備投資のコストを少しでも減らすために苦労を重ねています。

そこで弊社では、お客様が所有する設備の性能を状況に合わせ最適化する「改造修理」、特に、古くなった機械や装置を改造して新しい技術を組み込む「レトロフィット」に力を入れております。また、温暖化対策の実態に沿って、フロン規制の強化に対応し得る「冷媒変更改造」も可能だと考えております。

冷媒変更

具体的には、R22冷媒回路をR404A冷媒にする改造をお請けしてきました。
フロンと冷媒番号についての詳細は、こちらの記事 をご確認ください。

2020年にR22冷媒などの特定フロンHCFCが生産終了したことで、最近は「冷媒変更改造」に関するお問い合わせが多くなっています。また、Fガス規制にともなうHFC冷媒(R404A、R407Cなど)の段階的生産量削減により、R404A冷媒回路をR448AやR449Aに載せ替えるという御相談が多くなっています。

フロン類の国際規制

規制の背景には、オゾン層保護と温暖化対策を目的とする国際協定があります。1987年にモントリオール議定書が採択されたことで、日本などの先進国では特定フロンCFC(R12など)が1996年までに全廃、HCFC(R22など)が2020年に全廃となりました。中国やインドなどの発展途上国でも、2030年に全廃となります。

これまで主流だったR22冷媒は、再生冷媒の使用が認められるものの、実質的には全廃となります。国内の冷凍空調機器メーカーは既にR22対応製品の生産を終了し、代替冷媒製品に移行しました。代替フロンHFCの代表格がR32、R410Aで、世界でも普及が進んでいます。 しかし、モントリオール議定書のキガリ改正(2016年採択、2019年発効。いわゆる「Fガス規制」)によって、代替フロンHFCの18種類の物質が規制対象になり、先進国での生産と消費量の段階的な削減が始まりました。
将来的にはR32、R410Aも新冷媒に置き換わると予想されます。ダイキン工業などは、2030年頃までの実用化を目指して、新規制に対応したグリーン冷媒の開発を進めています。

主なフロンの種類

名称 代表的な冷媒番号 特徴
クロロフルオロカーボン
(特定フロン CFC)
R11、R12、R502など オゾン層破壊物質。地球温暖化の原因となる。
モントリオール議定書によって1996年に全廃。
ハイドロクロロフルオロカーボン
(特定フロン HCFC)
R22、R123、R124など CFCよりもオゾン層への影響は少ない。
地球温暖化の原因となる。先進国では2020年に全廃。
ハイドロフルオロカーボン
(代替フロン HFC)
R32、R407C、R410Aなど オゾン層を破壊しない。 地球温暖化への影響は大きい。
2016年に規制対象となり、段階的に生産量削減。

(参考:経済産業省、環境省「オゾン層保護法の改正について」 20180710003-1.pdf (meti.go.jp) )

弊社の見解

このようなフロン規制の流れを受けて、「R22対応製品は修理不能になるのでは?」「冷媒価格が高騰するのでは?」といった不安が広まりました。メーカーに問い合わせても「修理はできない」と言われ新規購入を薦められるケースが多いようです。

弊社としては今後も、R22対応製品や、規制以前の古い装置の修理を、部品の入手が可能な限り、続けていきたいと考えています。そして部品入手が出来なくなった場合でも、冷媒変更などによって対応方法を検討します。

弊社

「修理できない」とは言いません!
対応方法を探し、お客様の状況に最適な方法をご提案します。

R22冷媒は規制のため全廃となりましたが、協定の詳細を調べると、新規製造が出来なくなるだけで、R22そのものの使用を禁止されたわけではありません。環境省や経産省にも問い合わせましたが、既に冷媒として存在している物を、装置から漏らさずに有効利用していくことは認められています。また、弊社は冷媒再生業者との取引があるため、今後R22の新規調達ができなくなったとしても、再生冷媒として入手することは可能です

問題は、R22対応製品を冷媒が微量に漏れた状態で気づかないまま使用し続けて、圧縮機が損傷してしまうケースです。

メーカーが生産終了したことで、R22用の圧縮機は今後、入手困難になります。混合冷媒(R404AやR407C)で使われている圧縮機を、R22用にカスタマイズして載せ替えることは十分に可能ですが、本格的な改造修理が必要になります。
装置を長くお使いいただくには、定期的な点検・メンテナンスで冷媒回収を行った上で、膨張弁や消耗部品を交換していくのが現状では最善の方法かと思います。その理由は、時間の経過によって部品が入手できなくなってしまう可能性があるためです。

R22からR407Cへの冷媒変更改造、レトロフィット

では、フロン規制にどのように対応すれば良いのでしょうか。
全廃になったR22冷媒をR407C冷媒に変更し、装置の膨張弁なども取替えてR407C仕様に改造するという方法があります。主にチラー、冷凍機、エアコンなどで用いられる修理方法です。

この修理方法は、海外ではポヒュラーな方法として確立しており、YouTubeでも多数紹介されています。

R22 to R407C Refrigerant Retrofit

こちらの動画は海外の物ですが、2020年に全廃となったR22冷媒(特定フロン HCFC)をR407C(代替フロン HFC)に変更する「レトロフィット」の方法が紹介されています。

トレーラーハウスで使われている「mortex coils」という冷凍空調機器を、投稿者が自分で修理しています。

弊社では冷凍機の改造修理を数多く手掛けているため、この動画のようなR22からR407Cへの冷媒変更改造も技術的に可能です。-30℃仕様の小型環境試験器の冷媒をR22からR404Aに変更し、冷媒回路の組換えを行った実績もあります。

改造修理をご検討中のお客様で、メーカー仕様を満たす必要がある等、装置の使用制限がある場合は、改造後の冷凍能力の証明やJCSS校正などが必要となりますが、ご相談いただければ十分に対応可能です。

直して使う

フロン規制の影響で「将来的に、修理ができなくなってしまうのでは?」というご心配が数多く寄せられます。

今は脱炭素化に向けた過渡期で、温暖化対策に重点が置かれ、フロン規制も年々厳しくなっています。装置の買い替えに慎重になり、中古やレンタルシェアを選択するケースも増えてきています。弊社は今後、グリーン冷媒や再生可能エネルギーなどに関する新技術を取り入れながら、古い装置をレトロフィットで直して使う方向で、お客様のニーズに答えていきたいと考えております。

新冷熱技研は修理の努力を続けます。日々の点検・メンテナンスから、冷媒変更改造、アフターフォローまで。冷熱に関するお困りごとは、弊社にご相談ください。



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